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2025年10月31日

  • 制度・基礎

特定技能の随時届出をわかりやすく解説!定期届出との違いなど所属機関が知っておくべきことは?

特定技能の随時届出をわかりやすく解説!定期届出との違いなど所属機関が知っておくべきことは?

特定技能外国人を受け入れている企業や個人事業主は、特定技能所属機関と呼ばれており、自社に所属する特定技能外国人材の雇用条件や就労環境、支援の状況等について、必要に応じて出入国在留管理庁へ報告することが義務付けられています。

そこで今回は、医療や介護、外食、飲食料品製造などの分野を中心に、特定技能1号の外国人材の採用・就労支援を行う登録支援機関であるルポゼソリューションが、「随時届出」の概要やポイントについて解説していきます。

特定技能人材について随時届出が必要になるケースや提出先、必要書類、定期届出との違いなどを確認しておきたいという企業のご担当者・事業主の方は、ぜひ参考としてご覧ください。

※本記事で紹介している特定技能制度の各種届出に関する情報は、2025年8月時点のものです。

特定技能の「随時届出」とは?

特定技能の「随時届出」とは?定期届出との違いも

まずは、特定技能所属機関による提出対応が義務付けられている随時届出がどのようなものかについて、混同されやすい定期届出との違いと併せて、わかりやすく紹介していきます。

特定技能の随時届出とは、受け入れている特定技能外国人の雇用条件や就労環境、支援計画の内容、支援委託機関などに変更が生じた場合に所属機関が作成・提出する届出のことです。

具体的には、以下のようなケースで所属機関から出入国在留管理庁への届出が必要になります。

  • 特定技能外国人の雇用条件を変更することになった
  • 特定技能外国人との雇用契約を、期間満了を待たずに終了することになった
  • 一旦契約を終了した特定外国人の在留期間中に、新たに雇用契約を締結した
  • 自社、または外国人本人の事情により、特定技能人材の受け入れ継続が困難になった
  • 予定していた1号特定技能外国人に対する支援計画の実施が、困難になった
  • 特定技能外国人への支援計画の内容や支援責任者、支援担当者に変更があった
  • 特定技能外国人の支援を委託している登録支援機関が変わった、または登録支援機関への委託契約を終了し、自社支援に切り替えた
  • 自社が、特定技能外国人材を受け入れるための基準省令を満たせなくなった  など

なお、特定技能所属機関による随時届出の提出先、提出期限、提出方法については以下の一覧にまとめましたので、ご確認ください。

随時届出の提出先特定技能所属機関の住所地(法人の場合は本店、または主たる事務所の住所地)を管轄する地方出入国在留管理官署(空港支局を除く)。
随時届出の提出期限届け出るべき事由が発生してから14日以内に届出を完了させなければならない。
随時届出の方法

特定技能の「随時届出」と「定期届出」について

特定技能制度における定期届出とは、特定技能外国人の受け入れや活動、支援の実施状況などについて、1年に1回、所属機関から出入国在留管理庁へ報告するために行う届出のことです。

前年の4月1日から3月31日までの1年間、どのように特定技能外国人を受け入れ・支援したかを届け出るもので、所属機関には毎年5月31日までに提出することが義務付けられています。
(例:2025年4月1日~2026年3月31日までの定期報告については2026年5月31日までに提出)

このように、定期届出は外国人の雇用条件や支援計画に変更があったかどうかに関わらず、特定技能外国人の所属機関または登録支援機関から出入国在留管理庁へ、毎年提出する義務があります。

特定技能の随時届出と定期届出は、提出先こそ共通していますが、届出内容や提出のタイミングなどにおいて根本的に異なるものだと理解しておきましょう。

【随時届出の内容別】特定技能所属機関が揃えるべき書類

【随時届出の内容別】特定技能所属機関が揃えるべき書類

特定技能制度における随時届出がどのようなものかが理解できたら、次は、届出の際に必要になる届出書の様式や添付書類の違いについて、随時届出の内容別に確認していきましょう。

特定技能所属機関・登録支援機関による届出(提出書類)|出入国在留管理庁によると、所属機関による随時届出が必要になる場面、そして各シーンでの届け出に必要な書類はそれぞれ以下の通りです。

【随時届出が必要な場面1】雇用契約を変更・終了・新たに締結する時

以下のような項目について雇用契約の内容を変更する場合は、随時届出が必要になります。

  • 雇用契約期間
  • 就業場所(事業所の変更、派遣先の変更、事業所の変更(分野別))
  • 業務内容(業務区分を変更する場合)
  • 労働時間等
  • 休日、休暇
  • 賃金
  • 退職に関する事項
  • その他(社会保険や労働保険の運用状況等について)

雇用条件を変更した時の随時届出において、共通して必要となる書類は、以下の2点です。

特定技能外国人の雇用条件を変更する際の 随時届出に必要な書類(共通)
  • 特定技能雇用契約の変更に係る届出書
  • 雇用条件書

その他、特定技能外国人の雇用条件を変更する際に添付が必要な書類については、雇用契約の変更箇所によって変わってきますので、注意しましょう。

また契約期間満了前に、経営状況の悪化等など企業側の都合によって特定技能外国人との雇用契約を終了する場合は、原則として以下の3つの届出書で随時届出を行わなければなりません。

契約期間満了前に、企業都合で雇用契約を 終了する際の随時届出に必要な書類
  • 受入れ困難に係る届出書
  • 受入れ困難となるに至った経緯に係る説明書
  • 特定技能雇用契約に係る届出書

ただし、特定技能外国人からの申し出による自己都合退職の場合は、企業側の受け入れ困難による契約終了ではないため、「特定技能雇用契約に係る届出書」のみで届出をすればOKです。

一方で、一旦雇用契約を終了して随時届出を行った特定技能外国人と、その人物の在留期間中に再び雇用契約を締結する場合は、以下の届出書と添付書類を揃えた上で随時届出を行うことが求められますので、こちらも覚えておきましょう。

契約を終了した特定技能外国人と新たに 雇用契約を締ぶ際の随時届出に必要な書類
  • 特定技能雇用契約に係る届出書
  • 新たな契約に係る特定技能雇用契約書
  • 新たな契約に係る雇用条件書の写し
  • 新たな契約に係る建設特定技能受け入れ計画認定証の写し(建設分野の場合のみ)

1か月以上の休業等で「受け入れ継続が困難になった時」も随時届出が必要

契約終了以外に、以下のような理由で特定技能外国人が1か月以上活動できなくなり、休業状態になる場合も「受入れ困難に係る届出書」「受入れ困難となるに至った経緯に係る説明書」を用いて随時届出を行う必要があります。届出を忘れることのないように、ご注意ください。

  • 業務中の病気、けが
  • 私生活上の病気、けが
  • 妊娠、出産、育児  など

【参考】雇用契約・受入れ困難|特定技能所属機関(受入れ企業・事業主の方)による随時届出 提出書類一覧表

【随時届出が必要な場面2】支援計画に変更があった時

1号特定技能外国人の支援計画書の内容、及び支援責任者・支援担当者に変更が生じた場合は、「支援計画変更に係る届出書」に「1号特定技能外国人支援計画書」を添付して随時届出を行う必要があります。

なお特定技能外国人の支援を登録支援機関に委託していて、委託先を変更する場合などは添付書類が異なりますので、以下の提出書類一覧をご確認の上、随時届出の準備を進めてください。

【参考】支援計画変更・委託契約・基準不適合|特定技能所属機関(受入れ企業・事業主の方)による随時届出 提出書類一覧表

【随時届出が必要な場面3】支援委託契約に変更があった時

特定技能外国人の支援を委託する登録支援機関との契約内容に変更があったり、契約を終了して自社支援に切り替える場合、また委託する登録支援機関を変更した場合等は、それぞれ以下の届出様式にて随時届出をしなければなりません。

支援委託契約の内容を変更した時支援委託契約に係る届出書
(参考様式 第3-3-1号)
支援委託契約を終了し、自社支援に 切り替える時支援委託契約に係る届出書
(参考様式 第3-3-2号)
支援委託契約を終了し、別の登録支援機関と 新たに支援委託契約を締結した時

なお支援委託契約の変更に関する届出書や添付書類は、同じ名称であっても、届出内容によって利用するべき様式や記入箇所が変わってくるため、注意が必要です。

【参考】支援計画変更・委託契約・基準不適合|特定技能所属機関(受入れ企業・事業主の方)による随時届出 提出書類一覧表

【随時届出が必要な場面4】支援計画の実施が困難になった時

何らかの理由で、受け入れ当初に設定していた1号特定技能外国人支援計画書に基づく支援の実施が困難になった場合も、随時届出が必要です。「1号特定技能外国人支援計画の実施困難に係る届出書」に加え、以下のような添付書類を準備した上で、随時届出を行いましょう。

  • 相談記録書
  • 定期面談報告書(特定技能外国人用・監督者用)
  • 転職支援実施報告書
  • 支援未実施に係る理由書
  • 基準不適合等に係る説明書(特定技能所属機関作成用)
  • 理由書

【参考】支援計画の実施困難|特定技能所属機関(受入れ企業・事業主の方)による随時届出 提出書類一覧表

【随時届出が必要な場面5】基準不適合が発生した時

受け入れ企業である特定技能所属機関が、特定技能基準省令第2条第1項、及び第2項各号で定められている受け入れ機関の条件を満たすことができなくなった場合も、随時届出が必要です。

具体的には、社会保険料の滞納など労働や租税に関する法令の規定を遵守できていない場合や、特定技能外国人を従事させる予定の業務において、リストラなどの会社都合退職者を出している場合等に、基準不適合による随時届出が求められます。

なお基準不適合が発生した場合の随時届出に必要な届出書や添付書類は、以下の通りです。

  • 基準不適合に係る届出書
  • 基準不適合に係る説明書(特定技能所属機関作成用)

【参考】支援計画変更・委託契約・基準不適合|特定技能所属機関(受入れ企業・事業主の方)による随時届出 提出書類一覧表

特定技能の随時届出を提出する際の注意点は?

ここからは、特定技能外国人を受け入れる所属機関が、随時届出の準備・提出に対応する上で知っておくべきポイントについて、3つ紹介していきます。

提出期限の14日を過ぎると罰則を受ける可能性がある

特定技能の随時届出の提出期限は、対応するべき事由が発生してから14日以内ですが、仮に14日以内に提出ができなくても、理由書を添付すれば、随時届出を行うこと自体は可能です。

ただし、届出の必要性を認識していたのに随時届出を行わなかった場合や、虚偽の届出をした場合等は罰金刑や過料が課されたり、一定期間、特定技能外国人の受け入れ停止処分になってしまうこともありますので、適切な方法とタイミングで随時届出に対応するようにしましょう。

【参考】特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)|出入国在留管理庁

外国人材の一時帰国については随時届出は必要なし

先述した通り、本人からの申し出による休業も含め、特定技能外国人が1か月以上休業する場合は、原則として「受け入れ継続が困難」な状況だと判断されるため随時届出が必要になります。

しかし、特定外国人が一時帰国し、1年以内に日本へ再入国する場合は「みなし再入国」の手続きを行えば随時届出をする必要はありません。みなし再入国の対象者や有効期間等の詳細については、以下のページよりご確認ください。

【参考】みなし再入国許可(入管法第26条の2) | 出入国在留管理庁

登録支援機関への委託はできないので注意

随時届出と定期届出の対応は、特定技能外国人の所属機関・登録支援機関のそれぞれに義務付けられており、機関によって報告が求められる内容やタイミングが大きく変わってきます。

そのため、特定技能外国人の支援を全部委託している場合であっても、所属機関が対応するべき随時届出の作成・提出を登録支援機関に委託することはできませんので、注意が必要です。

なお所属機関による随時届出の作成・提出は、行政書士や弁護士など「官公署へ提出する文書を作成することが認められている」身分の方には委任することができますので、併せて覚えておくと良いでしょう。

【参考】特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)|出入国在留管理庁

随時届出に必要な書類の作成・情報収集をお手伝いします!

特定技能外国人の雇用契約や支援状況に関することは、ささいな変更も含めて随時届出の対象となります。特定技能の在留資格を持つ外国人を採用・雇用し続けるためには、随時届出が必要な場面を知り、提出期限を守って適切に対応していかなければならないと覚えておきましょう。

なお、特定技能外国人の採用支援や紹介等を行う登録支援機関である私たちルポゼソリューションでは、随時届出を行うための情報収集や、書類作成のお手伝いにも対応が可能です。

特定技能外国人の支援や定期届出、随時届出についてお困りの場合は、ルポゼソリューションのような登録支援機関の力を借りることも積極的にご検討ください。

特定技能外国人の採用・就労支援ならルポゼソリューション

特定技能外国人の採用・就労支援ならルポゼソリューション

ルポゼソリューション株式会社は、医療・介護分野を主業務とするIKOI GROUPの一員です。

自社グループの介護施設で外国人材を雇用した経験をもとに、特定技能外国人の登録支援機関として、主に以下の分野において1号特定技能外国人の採用や就労、学習支援等を行っています。

  • 介護
  • 飲食料品製造業
  • 外食業
  • 宿泊業
  • 自動車運送業
  • 建設業

支援義務の10項目はもちろん、各協議会への登録手続きや申請・届出に関するアドバイス等にも対応する他、外国人材に対しては24時間体制・母国語でのサポートを行い、急病時の病院への付き添いなど、緊急事態が起きた場合の支援にも注力。

特定技能外国人に「日本を選んで働きに来てよかった」と感じていただけるように、また各現場で即戦力として働いていただけるように、人材と所属機関の双方をしっかりと支援いたします。

人手不足のために外国人材の雇用を検討しているがどうすればいいかわからない、自社だけで特定技能外国人を雇用・支援することに不安があるという場合は、ぜひ私たちルポゼソリューションまでお気軽にご相談ください!

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