特定技能人材として働く外国人は「永住権」を取得できる?永住権を取るための要件や流れも解説
日本で働くことを考える外国人の中には、日本での永住権の取得も視野に入れているという方が少なくありませんが、特定技能人材として働いた外国人は、永住権を取れるのでしょうか。
そこで今回は、登録支援機関として主に医療、介護、飲食料品製造の分野において特定技能1号人材の就労及び学習の支援を行っているルポゼソリューションが、特定技能の在留資格を持つ外国人が日本の永住権を取れるのか、取得の条件や方法、注意点と一緒に解説していきます。
目次
特定技能人材等の外国人が日本で永住権を得るための条件
まずは、「永住許可に関するガイドライン(令和6年11月18日改訂) | 出入国在留管理庁」を参考に、日本で暮らす外国人が永住権を得るための条件について確認していきましょう。
外国人が日本において永住権の在留資格を取得するための法律上の要件は、以下の3つです。
- 本人の素行が善良であること
- 独立した生計を営めるだけの資産、または技能があること
- その外国人が永住することが、日本にとって利益となること
上記のうちの1つ目「素行要件」については、永住権を得ようとする外国人本人の素行が善良であり、犯罪への関与や社会保険料等の未納・遅延、近隣とのトラブル等がないかを審査します。
2つ目の「独立生計要件」については、外国人が自らの技能を持って自身、またその家族と安定した生活を営めるだけの資産、または技術などの仕事能力があるかを審査するための項目です。
そして3つ目は「国益適合要件」とも呼ばれるもので、その外国人が永住することで日本が利益を得られるかを審査するものです。具体的には、以下の項目について外国人の在留期間や公的義務への態度などを審査・評価し、その外国人の永住が日本にとって国益となるかを判断します。
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なお、素行が善良でないと判断されたり、本人または世帯での年収額が低すぎる・安定性がないなどと判断された場合は、審査不合格となります。
また永住権の申請時点において税金や社会保険料等の未納、支払いの遅延などがあれば、公的義務を適正に履行していないと見なされるため、審査の際には消極的に評価されます。
外国人が日本の永住権を得る上での「特例」について
先述した通り、外国人が日本の永住権を獲得するには原則として10年日本に在留することが求められますが、以下のような方には特例が適用され、申請に必要な在留期間が短縮されます。
| 日本人、永住者、特別永住者の配偶者 | 実態を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ引き続き1年以上日本に滞在(その実子等は、引き続き1年以上在留)すれば申請可能 |
|---|---|
| 定住者の在留資格を有する外国人 | 定住者の資格を得てから5年以上、継続して日本に在留していれば永住権の申請が可能 |
| 難民、または補完的保護対象者の認定を 受けた外国人 | 左記の認定を受けてから5年以上、継続して日本に在留していれば永住権の申請が可能 |
| 外交、社会、経済、文化等の分野で日本への貢献が認められる外国人 | 日本に5年以上在留していれば永住権の申請が可能 |
| 地域再生計画の区域内の公私の機関で働く 研究者、情報処理技術者 | 日本に3年以上継続して在留していれば永住権の申請が可能 |
| 高度専門職に従事する外国人 | 【継続3年以上の在留で申請可能なケース】 高度専門職省令に規定するポイントが70点以上あり、以下いずれかの条件を満たす場合 ・「高度人材外国人」である ・永住許可申請時からの過去3年間、70点以上のポイントを維持している 【継続1年以上の在留で申請可能なケース】 高度専門職省令に規定するポイントが80点以上あり、以下いずれかの条件を満たす場合 ・「高度人材外国人」である ・永住許可申請時からの過去1年間、80点以上のポイントを維持している |
| 特別高度人材制度を利用する外国人 | 以下いずれかの基準に該当する場合は、1年以上継続して日本に在留すれば申請が可能 ・「特別高度人材」である ・永住許可申請時からの過去1年間、特別高度人材省令に規定する基準に該当している |
【参考】特別高度人材制度(J-Skip) | 出入国在留管理庁
これらの特例措置についても、外国人が日本における永住権を取得するための基本的な条件と併せて覚えておくと良いでしょう。
特定技能外国人のうち、2号人材は永住権の取得が可能

先述した通り、外国人が日本の永住権を得るには、原則として10年以上の在留が必要です。
そして、この10年以上の在留期間には、技能実習及び特定技能1号の就労資格をもって在留した期間を除くということが、永住許可に関するガイドラインに明記されているのです。
特定技能の在留資格には1号と2号があり、それぞれの在留可能期間は以下のように異なります。
特定技能1号と2号の在留可能期間の違い
| 特定技能1号の在留期間 | 通算で5年間が上限 (法務大臣が個々に指定する1年以内のタイミングで、在留期間の更新手続きが必要) |
|---|---|
| 特定技能2号の在留期間 | 在留期間の上限設定なし (6か月、1年、3年のいずれかのタイミングで更新が必要だが、更新回数には上限なし) |
上記の通り、特定技能1号の在留資格を取得した外国人は最長で5年間日本に在留して働くことができますが、永住権を申請するための「在留期間10年」の中に、この5年間は含まれません。
つまり、特定技能外国人が永住権を取得するには、1号人材として働いた後に2号へと移行し、そこから10年以上の間、日本に在留する必要があるということになります。
そのため、特定技能外国人が永住権を取得できるかという質問への答えとしては、「2号人材であれば可能だが、1号人材では不可能」ということになるでしょう。
特定技能外国人の永住権取得には身元保証人も必要
日本に在留する外国人のうち、特定技能を含む就労関係の在留資格を有する人が永住権を申請する際は、先述した法律上の3つの要件を満たすことに加えて、身元保証人の設定も必要です。
一般的に、外国人が永住権を申請する際の身元保証人としては、外国人の雇用主や配偶者の親族等が想定されています。
もし、将来的に日本での永住権取得を目指す特定技能外国人を自社で受け入れている、または受け入れる可能性があるという場合は、身元保証人の選定についても検討しておきましょう。
特定技能2号外国人の永住権申請に必要な書類の一覧

ここからは、特定技能2号外国人が永住権を申請する際に必要になる書類、そして2号人材を含む外国人人材が日本の永住権を申請する際の大まかな流れについて、紹介していきます。
自社で雇用する特定技能人材が永住権の取得を希望している、または雇用主として、自社の特定技能外国人に永住権を取得してほしいと考えているという企業様は参考としてご覧ください。
まず、就労関係の在留資格を持つ外国人が永住権を申請する際の必要書類は、以下の通りです。
- 永住許可申請書
- 写真(縦4㎝×横3㎝)
- 理由書
- 申請人を含む家族全員(世帯)の住民票
- 申請人または申請人を扶養する方の職業を証明する資料
- 直近5年分の住民税の課税、または非課税の証明書
- 直近5年分の住民税の納税証明書
- 直近5年間、住民税を適正な時期に納めたことを証明する資料
- 源泉所得税や相続税、贈与税など各種税金に係る納税証明書
- 直近2年間のねんきんネットにおける各月の年金記録
- 直近2年間の国民年金保険料領収証書の写し
- 健康保険被保険者証の写し
- 国民健康保険被保険者証の写し
- 直近2年間の国民健康保険料の納付証明書
- 直近2年間の国民健康保険料の領収証書の写し
- 直近2年間の健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し
- 直近2年間の社会保険料納入証明書または社会保険料納入確認書
- 申請人、または申請人を扶養する方の資産を証明する資料
- 身元保証書
- 身元保証書に係る資料
- 我が国への貢献に係る資料(※ある場合のみ)
- 了解書
永住権を申請する際の手続きの流れは?
特定技能2号外国人など、就労関係の在留資格を持つ方が永住権を申請する際の大まかな流れは以下の通りです。こちらも、自社人材の永住権申請を検討する際の参考としてご覧ください。
- 必要書類一式を揃えて記入・作成する
- 住居地を管轄する地方出入国在留管理官署へ永住権を申請
- 出入国在留管理庁による審査を受ける(期間の目安は3か月~1年)
- 無事に審査通過の通知が来た場合は、入国管理局で手続きを行う
- 外国人登録の変更を行い、一連の手続きが完了
なお、永住権の許可を受けて入国管理局で手続きを行う際には、収入印紙で10,000円(2025年9月時点の金額)を支払う必要がありますので、注意しましょう。
特定技能人材の永住権申請に関わる注意点3つ
最後に、特定技能人材を含む外国人の永住権申請に関わる注意点を3つ紹介していきます。
審査は非常に厳格で、許可基準も不明確だと知っておこう
外国人が在留中の活動や期間に一切の制限を受けることなく過ごせるようになる永住権の審査は、他の在留資格を変更・取得する場合と比較しても非常に慎重に、厳格に実施されます。
また、審査基準もはっきりと提示されているわけではありません。そのため、永住権の許可を受けるには、入国した時点から外国人がしっかりと要件を満たして就労・生活ができるように、周囲がサポートする必要があると理解しておきましょう。
他の在留資格に比べて審査期間が長くなりやすい
永住権の審査は、独立した規定のもとで厳格に行われるため、どうしても時間がかかります。
具体的には、結果が出るまで3か月〜1年ほどかかるとされているため、現在有する在留資格で許可された残りの在留可能期間や仕事の予定、収入の見通しも鑑みて申請手続きを進めましょう。
人材確保を優先したい場合は、1号の補充も検討を
ここまでに見てきた通り、特定技能外国人に永住権を取得してもらうには、まず1号人材として雇用した上で在留資格を2号へ変更し、その後何年か働いてもらってから、永住権申請をしなければなりません。
そのため、2号人材の対象外となっている産業分野や、人材確保にかけられる予算や時間の関係上、在留資格の切り替え対応が難しいという企業様においては、まず1号人材の補充を検討すると良いでしょう。
なおルポゼソリューションでは、特定技能1号人材の紹介と就労、学習支援の他、特定技能人材の在留資格を1号から2号へ切り替えたいという外国人人材、及び企業様のサポートも行っています。特定技能外国人の雇用に関するお悩みがある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
ルポゼソリューションの強み・特定技能外国人の登録支援機関としての特徴はこちら!
特定技能外国人の採用・就労支援ならルポゼソリューション

ルポゼソリューション株式会社は、医療・介護分野を主業務とするIKOI GROUPの一員です。
自社グループの介護施設で外国人材を雇用した経験をもとに、特定技能外国人の登録支援機関として、主に以下の分野において1号特定技能外国人の採用や就労、学習支援等を行っています。
- 介護
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 宿泊業
- 自動車運送業
- 建設業
支援義務の10項目はもちろん、各協議会への登録手続きや申請・届出に関するアドバイス等にも対応する他、外国人材に対しては24時間体制・母国語でのサポートを行い、急病時の病院への付き添いなど、緊急事態が起きた場合の支援にも注力。
特定技能外国人に「日本を選んで働きに来てよかった」と感じていただけるように、また各現場で即戦力として働いていただけるように、人材と所属機関の双方をしっかりと支援いたします。
人手不足のために外国人材の雇用を検討しているがどうすればいいかわからない、自社だけで特定技能外国人を雇用・支援することに不安があるという場合は、ぜひ私たちルポゼソリューションまでお気軽にご相談ください!