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2025年11月7日

  • 受け入れ・支援

特定技能人材は派遣で雇用できる?外国人の派遣社員を受け入れる上での注意点なども解説

特定技能人材は派遣で雇用できる?外国人の派遣社員を受け入れる上での注意点なども解説

人手不足のため、特定技能外国人の受け入れを検討している企業様・事業主様の中には、派遣など、正社員以外の雇用形態で特定技能人材を採用したいと考えているところもあるでしょう。

そこで今回は、主に医療と介護、外食、飲食料品製造の3つの分野において、1号特定技能外国人の正社員採用を検討する企業様の支援、ならびに外国人材への就労・学習支援を行うルポゼソリューションが、特定技能人材を派遣社員として雇用できるのかについて解説していきます。

また併せて、特定技能という在留資格やその派遣先となるための条件、注意点なども紹介していきますので、特定技能人材の活用を検討している事業者様は、ぜひ参考としてご覧ください。

特定技能とは?技能実習との違いも解説

まずは、出入国在留管理庁が公開している「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組(令和7年11月1日更新)」をもとに、特定技能という在留資格がどのようなものか、混同されやすい技能実習との違いも含めて確認していきましょう。

特定技能とは、特に人手不足が深刻で、かつ人材確保が困難な産業分野において即戦力となり得る外国人材を受け入れるために創設された在留資格の一種です。2025年8月現在において、特定技能外国人の受け入れが認められているのは、以下に挙げる16の産業分野となります。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 工業製品製造業
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 自動車運送業
  • 鉄道
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業
  • 林業
  • 木材産業

なお先述した通り、特定技能外国人には「人手不足の産業分野において即戦力となり得る人材であること」が求められます。そのため、一定水準以上の日本語能力、及び就業予定分野の技能があることが試験で確認できた外国人でなければ、この在留資格を取得することはできません。

特定技能外国人に求められる日本語能力レベル、また技能水準の確認方法については、1号・2号の種類別に以下の一覧にまとめましたので、ご確認ください。

特定技能1号・2号の主な違い

特定技能1号に求められる能力水準
  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)、または日本語能力試験(N4)以上に合格すること
  • 各分野の技能水準についても、試験で確認する(※ただし、技能実習2号を終了した外国人は免除)
  • 介護、自動車運送業、鉄道分野は別途要件あり
特定技能2号に求められる能力水準
  • 日本語能力試験(JLPT)N3に合格すること(※漁業及び外食業分野のみ、その他の分野は免除)
  • 各分野の技能水準についても、試験で確認する

特定技能2号は、特定技能1号の上位資格であり、全16分野のうち11分野のみで1号からの移行が認められている在留資格です。以下に、特定技能1号・2号の主な違いを簡単にまとめましたので、特定技能を理解する上での参考としてお役立てください。

特定技能1号の場合在留可能な期間
  • 通算で5年間が上限
  • 1年以内に法務大臣が個々に指定したタイミングで更新が必要
家族の帯同の可否原則として不可
支援の有無受け入れ機関、または登録支援機関の支援対象
特定技能2号の場合在留可能な期間
  • 在留可能期間に上限なし
  • 6か月、1年、または3年ごとの更新が必要(※ただし更新回数に上限なし)
家族の帯同の可否要件を満たせば配偶者・子の帯同が可能になる
支援の有無受け入れ機関、または登録支援機関の支援対象外

在留資格「特定技能」と「技能実習」の違い

特定技能と技能実習は、どちらも外国人の日本での滞在・就労を可能にする在留資格ですが、両者は主に「在留の目的」と「転職の自由」の2点において、大きく異なります。

特定分野の人手不足を解消することを目的に日本での在留・就労が許可される特定技能人材には、同じ産業分野の事業所に転職する場合に限り、所属先を変更する自由が認められています。

対して技能実習は、国際協力の一環として外国人材を受け入れ、日本での就労(=実習)を通して技能を習得すること、これを母国に持ち帰って活用してもらうことを目的とした制度です。

そのため、原則として、技能実習生に日本国内における転職の自由は認められていません。

他にも、従事可能な業務の区分や受け入れ機関が遵守するべき法令、在留資格を得るための条件など、特定技能と技能実習にはさまざまな違いがあります。外国人の雇用を検討する際は、2つの在留資格の特徴や違いをよく理解した上で、選択する必要があると覚えておきましょう。

特定技能外国人の派遣雇用は「分野によっては可能」

特定技能外国人の派遣雇用は「分野によっては可能」

ここからは、特定技能外国人を派遣社員として雇用できるのかについて、説明していきます。

特定技能外国人は労働日数が週5日(労働時間にして週30時間以上)、かつ年間217日以上の勤務形態になるように雇用しなければならないと定められており、1号・2号ともにフルタイムの正社員としての雇用が原則となります。そのため、派遣社員として雇用することはできません。

ただし、季節によって繁忙期と閑散期の差が激しく、人材を通年雇用するのが難しい農業、漁業の分野においては、例外として、特定技能1号外国人材の派遣雇用が認められているのです。

農業・漁業の分野において特定の期間のみ外国人材を受け入れることは、柔軟な働き方を望む外国人労働者にとっても、メリットが大きいと言えるでしょう。

【関連記事】特定技能の随時届出をわかりやすく解説!定期届出との違いなど所属機関が知っておくべきことは?

特定技能外国人の派遣先企業となるには?

特定技能外国人の派遣先企業となるには?

農業及び漁業の事業者が、特定技能外国人の派遣先となるには、一定の条件を満たす必要があります。特定技能外国人の派遣先となるために、事業所等が満たすべき基準は以下の4つです。

  1. 労働、社会保険及び租税に関する法令を遵守していること
  2. 1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
  3. 1年以内に受け入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと
  4. 欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等)に該当しないこと

【引用】出入国在留管理庁「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組(令和7年11月1日更新)」

なお特定技能外国人の派遣先には、日本人を派遣雇用する場合と同様に「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(通称:労働者派遣法)」を遵守することが求められます。

労働者派遣法では、派遣先事業所が同一労働者の派遣を受けることができる期間の上限を3年までと定めています。これは、通算で5年間日本に在留することができる特定技能人材にも適用されるため、自社で同一の特定技能外国人を派遣雇用できる期間は最長で3年間となりますので、注意しましょう。

特定技能外国人の支援義務を負うのは「派遣元」

特定技能外国人を受け入れる企業や個人事業主には、各分野の特定技能協議会に入会すること、そして計画に基づいて特定技能外国人に適切な支援を提供することが義務付けられています。

しかし派遣の場合は、派遣先ではなく派遣元の企業が特定技能外国人と雇用契約を結ぶことになるため、協議会への加入や外国人材の支援義務についても派遣元企業が負うことになります。

そのため派遣先企業に、各協議会への加入や人材支援を行う義務が課されることはありません。

ただし、派遣先企業にも、必要に応じて各分野の協議会による調査等に協力する義務はありますので、併せて覚えておきましょう。

特定技能外国人を派遣雇用する上での注意点

ここからは、特定技能外国人を派遣雇用する上で知っておくべき注意点について、2つ紹介していきます。自社において、外国人材をどのような雇用形態で受け入れるのがいいかを検討する際の参考として、ひと通りご確認ください。

派遣雇用であっても、一定額の費用は必要

一般的に、正社員を雇用する場合に比べて人件費削減がしやすいとされる派遣雇用ですが、特定技能外国人を雇用する場合には、派遣であっても在留資格の申請や外国人の住居を準備するための初期費用、在留期間を更新する際の申請費用などの各種費用が発生する可能性があります。

派遣社員として特定技能外国人を雇用することを検討しているなら、派遣元へ支払うマージンに加え、上記のような費用がかかる可能性があることも理解しておいた方が良いでしょう。

長期就労による技術向上は見込みにくい

一般的に派遣雇用は、繁忙期のみ数か月ほどの雇用となる上、毎回異なる人材が派遣されるケースも多いため、長期的に就労することによる技術の向上が見込みにくいと言えます。

また繁忙期が来るたびに、その都度、時間と手間をかけて業務や作業の内容について説明し、人材を育成し直さなければならないというデメリットもあります。

特定技能人材の派遣雇用を考えているなら、自社にとって派遣という形で外国人人材を受け入れることが最善なのか、現場の状況も踏まえてしっかり検討する必要があると言えるでしょう。

特定技能外国人を派遣ではなく、直接雇用したい事業主様へ

私たちルポゼソリューションでは、派遣ではなく、正社員として特定技能外国人を直接雇用したいと考えている所属機関に向けて、即戦力となり得る人材の紹介と採用支援を行っています。

特に医療や介護、外食、飲食料品製造の3つの分野においての実績が豊富なので、6次産業化のために食品加工場等を持つ農業・漁業関係者様を含め、各分野において特定技能外国人の正社員採用を検討中という事業主様は、ぜひお気軽にルポゼソリューションまでご相談ください。

ルポゼソリューションの強み・特定技能外国人の登録支援機関としての特徴はこちら!

特定技能外国人の採用・就労支援ならルポゼソリューション

特定技能外国人の採用・就労支援ならルポゼソリューション

ルポゼソリューション株式会社は、医療・介護分野を主業務とするIKOI GROUPの一員です。

自社グループの介護施設で外国人材を雇用した経験をもとに、特定技能外国人の登録支援機関として、主に以下の分野において1号特定技能外国人の採用や就労、学習支援等を行っています。

  • 介護
  • 飲食料品製造業
  • 外食業
  • 宿泊業
  • 自動車運送業
  • 建設業

支援義務の10項目はもちろん、各協議会への登録手続きや申請・届出に関するアドバイス等にも対応する他、外国人材に対しては24時間体制・母国語でのサポートを行い、急病時の病院への付き添いなど、緊急事態が起きた場合の支援にも注力。

特定技能外国人に「日本を選んで働きに来てよかった」と感じていただけるように、また各現場で即戦力として働いていただけるように、人材と所属機関の双方をしっかりと支援いたします。

人手不足のために外国人材の雇用を検討しているがどうすればいいかわからない、自社だけで特定技能外国人を雇用・支援することに不安があるという場合は、ぜひ私たちルポゼソリューションまでお気軽にご相談ください!

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